【人生に影響を与える本】政治的に無価値なキミたちへ / 大田比路著

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このツイート、著者の大田先生にもリツイートしていただき驚きました。

 

 日本に生まれて日本で生きてたら、ああなんか恵まれてるかも。日本に生まれてよかった。とか思うけど、海外との比較を見るとそうは言ってられないかも。

とりあえず、国の運営方針って各々で全然違うんだ。

これは政治学の本ではない。
三権分立とか、そういうのじゃない。もっとリアルな現実の話。高校卒業して大学を出て…という仕組みから疑う話。

政治が全くわからない人が、今自分の置かれている状況を理解させられて「政治をどうしていけばいいか」を考えだすキッカケになる本だ。

全部大事だから全部書きたいけど長くなりすぎるので一部抜粋して紹介します。

 

 

労働 

 私たちは高額な大学費用を支払い大学に行く。
「大卒」を手に入れるために、奨学金という名の借金を背負って22歳の新社会人になる。そのあとはひたすら労働、労働、労働。
有給はインフルエンザになるかもしれないし万が一に備えてためておく。そしてたくさん税金を引かれた手取りの中で、ささやかな自由を幸せを楽しむ。

 資本主義

日本では「資本主義の正しさ」が教育宣伝されているが 「資本主義への参加方法」 は教育されない。

資本主義世界というのは、 絶え間ない無数の投資と投機によって成立している。
この世界に踏み出すことが資本主義に参加するということだ。 

<投資>
対象物の生 む果実を将来的に獲得する
<投機>
対象物の値動きを利用 してカネを獲得する

今の日本では「資本主義を信奉しながら資本主義を傍観するしかない」 という滑稽な労働者たちで満ちあふれている。99%の労働者階級は1%の資本家にしがみついて生きていく。

 国民主権

真の国民主権の実現に必要なのは公平性と実体性だ。

<公平性>
全国民が平等に議員に立候補する機会が与えられ ているってこと
<実体性>
国民全体に政府運営に参加す るだけの意思と能力があるってこと。

国民主権とは、 そもそも国民が 「自分の国はこうあるべきだ」っていう意思を実体として持っていることだからね。

 政治能力と民主主義

休暇がほとんどない惨めな日本人のライフスタイルでは、 政治に関わるなんて悠長なことは生涯ムリだ。
また、日本では 読み書き計算を中心とした労働者教育は熱心にされているが政治に積極的に関わる「市民教育」はされていない。

 しかたがないの国

昔の日本人たちが、日々のつらい現実から逃避できる言葉を開発してキミのために用意してくれたんだ

どうすればよいか

私たちは政治的に無価値だ。
私たちの1票はゴミみたいな価値しかない。
しかし、自分と同じ価値観を持つ人々がキミと同じ投票行動をとればそれはゴミではなくなる。

参政権の中心にあるものは(投票用紙は参政権の一部だ)自分の政治意志を多くの人に伝えて共有し、政治的行動をとることで政府に要求をつきつけること。

芸能人の政治的発言が問題になっているけど、どんどん発言すべきなんだよね。そうやって個人のイデオロギーを絶えずせめぎあうことで国家や世界の形が作られるのだから。

このように対等な地位にいる人々が話し合って築き上げた理念さえあれば、その理念の下に、よりよい国家や社会を作ることができる。理念こそ世界を変えていく最大の武器だ。

まとめ

ここまで読んでくれた人なら分かるだろうが、出来るだけ多くの人に読んで欲しい本

政治について話すのはなんだかよくない。そんな風な感覚で生きてきた私には衝撃が大きかった。もっと知り、もっと話合わなければならない。芸能人の不倫でワーワー言っている場合ではないのだ。

これからは当たり前を疑い、「しかたがない」で済まさず、よりよい未来のために理念を築いていこうと思う。

 

MCPT