無意識のうちに「知識を振り回す大人」になっていないだろうか。

知識と思考の違いは何だろうか?

知識は、本や他人から教えてもらって身につけるもの。すなわち、借りもの。 一方、思考はすべて自力。つまり、「知識」と「思考」は相反するものである。 知識を身につけるのに読書は一番手軽でコスパがいい、だから、読書家の中には読書で身につけた知識を振り回し、知的活動をしたと勘違いする者がいる。 乱読のセレンディピティ外山滋比古

はっとした。以前勤めていた会社の上司のことではないか。小さな会社ではあったが、外コンから戻った上司がトップに君臨し、みんなで崇めている状態だった。その上司は読書家で、まさに、知識を振り回していた。本やネットにあることをドヤ顔で披露し、皆を洗脳していた。同僚たちは初めて知ることだから、わあスゴイ!さすが!となっていたが、全部本からの引用だったのだ。最も酷かったのは、なぞなぞ。プレゼンの注目を集めるには有効な手段かもしれないが、自分の解釈を他人に押し付けるようなものだった。そりゃあ、いつになっても答えに辿り着けるわけない、当てられたほうは地獄だ。転職した先が、個々が活躍でき、立場など関係ないフラットな職場だったので、余計に前職の異常さを感じてしまった。前の職場では同期もほとんど辞めているから、安心だ。