(3/3)大晦日、7時間ベランダに閉じ込められた話③

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2度目の悲報

「つながりました!」

ぶわっと心の奥から湧き上がるあたたかい気持ち。突然体の中が春になったような感覚だった。

「混みあっていて、業者の到着が19時になるそうです。」

心の春はすぐに冬に戻されてしまった。そもそも今何時で、後何時間で19時になるのだろうか。空は暗くなっていてかなり寒い、絶望的。

「これ使ってください!」

上を見上げると大きな荷物が降ってきた。

ではここで、差し入れの中身について話したい。

ベランダに閉じ込められた時差し入れすべきもの

①レジャーシート
ずっと立ちっぱなしは単純にキツい。そして足元がとても寒いので、座って足元まで毛布で包み込めることは最重要。横になれる広さだと尚良し。

②ベンチコート
小学生以来のベンチコート。こんなに暖かいものだった?と感動して涙出そうだった。ずっとダサいって言っててごめんねベンチコート。オシャレよりも生きることのほうが大切だよね、君に救われたありがとう。

③時計
これは本当にセンスある。何時かわかるだけで、希望が見えてくる。あと何分でここから出られる、思うだけで頑張れる。出口が見えるトンネルか見えないトンネルだったら見える方が安心感が段違いだよねって話。

④食べ物と飲み物
暖かい飲み物とおにぎりやチョコ。すぐエネルギーに変わるものがベスト。寒さに耐え続けるというのは、思っているよりもエネルギーを消耗するのです。ちなみに、甘いものとしょっぱいものの最強タッグだともう何も言うことはない。感動してただただ涙を流すだけです。

最後、破壊

ずっと待ってた。業者さん、ずっと待ってたよ。
でもね、我が家のセキュリティが高すぎるが故に鍵を「破壊」するしか道はないようだ。 鳴り響く金属音、削られる鍵。案外鍵って壊れないものらしい、30分は格闘していたと思う。やっと壊したと思ったらまだチェーンロックが。これも突破してやっと、やっと扉が開いた。奥さんにシャッターを開けてもらい、無事中に。
しめ出されてから7時間、実に長い戦いであった。
その後、毛布やらなにやら返却してお礼もしっかりした。

大晦日、ゆっくりしたかっただろうに本当にお騒がせしてしまった。
でも、人生で一番忘れられない大晦日。二度目はごめんだけどね。





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